2013年4月24日水曜日

読書温泉



















友だちから貰った花束のうち一本だけ飛びぬけて長もちしてくれてうれしい。心が明るくなるような山吹色。

先週末は冬以来久しぶりに三日続けて仕事が休みで、何をして過ごそうかとあれこれ楽しく悩んでいたのだけれど、土日は天気がよくなかったせいもあり、外出せず主に布団の中で読書、時々ウクレレと料理という感じで、正しく引きこもって過ごしました。晴耕雨読。あと二踏ん張りくらいすれば形になりそうな曲があるのに、結局手をつけられなかったのは残念。このところクラリネットの練習もさぼってるし。けど温泉に浸かるみたいに読書にひたすら没頭してたら、先月から普段通りのペースに戻った仕事の疲れがいくぶん抜けたような気がしてます。大型連休を先取りしてリフレッシュできたような。仕事に余暇にがんばろう。 今月は週一ペースで人と会っていて、体調を崩して以来ご無沙汰の友人と会って乾杯したりもしました。しかし病気は今回も大変だったなあ、迷惑かけて合わす顔のない人もいるし、じわじわと増えてしまった体重は落ちやしないし、全くもう…という感じで改めてマイナス面を挙げていくときりがないけど、徐々に本当に回復してきたら、心身ともに自分のコンディションを整えてこれからの人生を歩んでいくための大きなヒントをもらったようにも思えてきました。日常の心配事にはきりがないけど、それはそれとして、既に手のうちにある幸せを丁寧に感じることができるコンディションを保てるようになりたい。

というわけで、職場で借りてきた本を快調に乱読してます。病気のときはいくら時間があっても読書に一向に集中できなかったので、活字の世界に没頭できる喜びはひとしお。

本を読むとは、一見そこに書いてある字を読むことだけだと思いがちだが実は、その書いてあるページのむこうの空間に全身ではいりこみ、日常の時間でなくそこに流れている特別な時間に身を任せ流されていく、一種の身体経験、見えない踊りのようなものとみることもできるだろう。音楽の場合を考えてみたらわかりやすいが、きいていると思っている瞬間音楽は逃げ去っているがその逃げ去っていく瞬間の折り重なりがつまり音楽の流れで、小説や詩にも同じようなところがあり、本の場合文章を「演奏する」のは読者自身である。いしいしんじの本p135より)

この文章には衝撃を受けました。目から鱗。いしいさんは、良い書き手は良い読み手でもあるということの模範のような方だと思いました。文章や音楽を形にすることに関して、せめて姿勢だけでも真似できたらなあ。


[VOON] 20130424yoru_touzoku

だからというわけではありませんが、最近また懲りずに好きな曲をひきがたりカバーしては遊んでいて、今並行して三曲練習しているうちの一曲がこれ。相変わらず拙い演奏ですが、もしよかったら。ガビチョウの華麗なさえずりが団地内で響き渡っているのが微かに聴こえてます。原曲はこちらです。何度となく聴いてきたはずの曲でも、改めて自分で演奏してみると、新たな発見がいくつもあって興味が尽きません。そして五月の風のビールが飲みたいぜ。

2013年4月11日木曜日

水ぬるむ



















今年の春はずいぶんと気が早いように感じます。梅の花こそ遅めで桜に迫っていたけど、ケヤキなど街路樹の新緑が青々と茂り始めるのは例年なら五月頃じゃなかったかと思うし、ツツジやハナミズキがもう花をつけてるのを見ると、あれ?ちょっと待ってよと言いたくなります。やはり温暖化の影響かしらと不安にもなります。そうでなくても、季節には常に置いてきぼりをくらいがちなのに。やけに暖かい日が続いたかと思えば荒天に悩まされたり、お天気に振り回されるのは人の常だけど。でもこの三月、桜と時を同じくして住宅街や公園の庭木が一時に色とりどりの花をつけている様子は、いつになく暖かな気候と相まって、何だか夢の中の春みたいで内心うっとりしました。浮足立ったり不安になったり、春はやはりどこかそわそわと落ち着かないです。木の芽どき。

さてさて、ウェブマガジン「モンスター」の「miyamoとひこうきの庭」第二回はもうご覧になって&聴いて頂けたでしょうか?鈴木伸明さんの「ないしょのうた」は、これぞ鈴木さんの真骨頂!という感じの曲で、朴訥でどこかとぼけた雰囲気の鈴木さんの人柄がにじみ出ているようであり、なおかつ素朴な童謡のようでとても歌いやすいです。夜道の一人歩きの鼻歌にぴったりじゃないかと思うので、もしよかったら試してみて下さい。ひこうきさんの絵は月とお団子をモチーフとした円形で、そんな君の遊び心が大好きだー!と埼玉の片隅でこっそり叫びたいわたしです。素敵。まだ未見の方は、今回の庭にもぜひ遊びに来て下さいね。そして第三回もどうぞお楽しみに!













三月末のライブのことについて書きます。ひと月ほど前からセットリストを決定して、部屋でひっそりひきがたり練習を続けていたので、準備は万端かと思いきや、二日くらい前の夜から軽くスランプに陥ってしまいました。ウクレレをつっかえたり歌の音程が外れるたびに焦りがいや増して、本番がどんどん不安になってしまって。多かれ少なかれソロライブの前はそんな感じですけど、今回はいつも以上に振り幅が大きい気がして、わたしまだ本調子じゃないんだなと改めて思い知らされました。人前で演奏するのは早すぎたかな、と。当日も家を出るまで落ち着かずどこかぼんやりしていて、武蔵境STATTOまでは私鉄とJRを乗り継いで行くのですが、切符を二枚連続で紛失してしまいました(カードを増やしたり失くすのがいやで未だに切符派です)。片道だけで往復分の支出は痛かった…どれだけ上の空かわかろうというものです。わずかながらも友人知人がせっかく観に来てくれるというのに、もうダメかも、と迎えた本番は、しかし思ったよりはちゃんと演奏できたのでよかった。ひとえにスタットのいい雰囲気とスタッフの皆様のおかげだと思ってます。出番のあと真っ先にかかったのがブルーハーツの「ハンマー」だったのはとても嬉しかった。メールなどで励ましてくれた皆さん、見守ってくれた皆さん、ありがとうございました。まだまだ未熟者ですが、これからも頑張ります。


[VOON] 20130327we'resobeautiful

今回はカバーを四曲やりました。なんとなく気恥ずかしくて、誰の何という曲をやるかは一切言わずにやったのですが、お気に入りの曲ばかりでした。意外かもしれないけど、これはアートスクールの曲です。それまで名前だけ知っていて全く聴いたことなかったのに、去年の秋にたまたま目にしたこの動画が気に入って、借りてきたベストアルバムにはまってしまった。ちょうど関西遠征に出かける前後くらいに。シンプルなメロディーとネガティブな歌詞の対比が鮮やかで、ロック音楽の形式美に対する愛情とこだわりの感じられるサウンドは、切実で誠実な気がして、変に魅力的で癖になります。きれいなだけじゃなくていびつで歪んでいて、逆に妙に居心地のよい音世界。しかし青いな~自分、とは思います。この曲は去年出たアルバムの最後の曲で、聴いてすぐ歌ってみたくてたまらなくなって、冬中よく練習してました。我ながら暗い。

最近は読書が非常にはかどっていて楽しい。バンドの練習はお休みしていて、お弁当作りにはまりつつあって、ソロライブが終わってちょっと気が抜けてしまったけどカバー曲練習して録音したり曲作ったり、地道に進めていけたらなと思ってます。

ライブのとき友だちがプレゼントしてくれた小さな花束。