2012年2月25日土曜日

ハウリング

月に一度の三十分だけ早上がりの帰り道、空気に混じる春の匂いに鼻をひくひくさせつつ、お気に入りの川沿いの道を自転車を押して歩いてて、ヤノカミ聴きつつ景色と夕空眺めて何故か思わず泣きそうになってたとき、固太りで尻尾の短い猫が民家の方から畑を越えて一直線にやってきて、しばらくうろうろしてた。お腹空いてたっぽい。おかげで泣くタイミング逃した。ありがとう猫。



   「なんかくれ」











年末にキスミワコちゃんのバッハーンでスタジオに入ったとき、ハウリングはマイクとスピーカーとの間で音がぐるぐる回っちゃうんだよ、と教えてもらって、ほほうなるほどね~と思ったものですが。

来月鈴木伸明さんと一緒にライブで演奏することになって、先週が練習の第一回目で、スタジオに入る前にドトールで打ち合わせ的話し合いをしたのです。雪の夜でした。今回はサポートではなく、お互いの持ち曲を半々ずつ出し合おうということで、その日の昼間にiPodのボイスメモで候補曲を仮録音してiTunesでCDRを焼いて持っていきました(注:パソコン環境のない鈴木さんのため)。歌詞もちゃんと準備して。要は、気合い入ってたわけです。

スタジオの一時間ちょっと前にドトールに行ったのですが、事前に話せることはそう多くなく、時間が余ってしまったので、じゃわたしのiPodで今日録った曲今聴けるけど聴く?ということで、お互いの携帯音楽プレーヤーを交換して各自のデモ音源を聴きました。すると鈴木さんがぼそっと一言、「かゆい…」。その弱冠心ない一言で、わたしのネガティブ考えすぎモードのスイッチがばちっとONになり、そこから延々、練習が終わって軽く飲みに行ってからも、鈴木さん相手にごねてしまった。後から落ち着いて考えると、自分の音楽を人と一緒にやるのが初めてで、気合いと期待で過敏になっていたわたしの中で「かゆい」という言葉がハウリングを起こしてしまったような状態でした。今まで演奏聴いてくれた人は優しさ故にかゆくても黙ってくれてただけだったのかな…などとネガティブ思考のフィードバックでぐるぐる回る回る…初回からめんどくささ全開です。すみません。ともあれ、鈴木さんはあまり気を遣わずに済む相手なので助かるし、今回一緒にやる鈴木さんの曲、悔しいけど、いい曲。いろいろ刺激になります。

話は少しそれますが、楽器をいくつか演奏したりすることで、傍からは器用そうに見えたりすることもあるようなんですが、全くそんなことないです。手先自体も不器用だし、物事に慣れるのに人よりだいぶ時間がかかる方です(スタジオでコード巻くやつも、何度か手とり足とりで教えてもらったのに、できない…)。というのも、今の職場で働き始めて8年以上経つのですが、最近ようやく、本の修理が上手にできたねって褒めてもらえることが増えて、嬉しいんだけど、どれだけ時間かかってるんだい、っていう。わりとそういう人間なので、ひきがたりは多分まだ始めてから3年ちょっとだし、じっくりやっていけたらなと思います。

何事も経験だ。いいライブになるよう頑張ります。
3月26日月曜日、無力無善寺、もしよかったら遊びに来て下さい。鈴木miyamo伸明、ある意味、見物かもしれません。